あなたがこれから不動産投資を始めようとしているなら、最初の一歩は物件取得です。
ですが、一体どうすれば良いのでしょうか?この記事では、その疑問に答えます。
不動産投資は安定したキャッシュフローを目指す手堅い投資として知られています。しかし、成功の道のりは一筋縄ではいきません。物件取得から運用までのプロセスは一見、複雑に思えるかもしれません。しかし、ご安心ください。今回、私たちはあなたが不動産投資を成功に導くための具体的な9つのt順をご紹介します。これらを理解し、実行すればあなたもきっと成功への道を歩めるでしょう。
本記事を通じて、不動産投資の初心者でも理解しやすい形で、物件取得から運用までの具体的な手順を解説します。それでは、あなたの不動産投資成功の第一歩、物件取得のステップを一緒に学んでいきましょう。
物件を取得するまでの手順は下記の通りです。
手順① 不動産投資の目的と現状を明確にする。
手順② 情報収集を行う。
手順③ 問い合わせや資料請求をして、物件の評価を行う。
手順④ 現地を訪れて物件の調査。
手順⑤ 買付証明書を提出する。
手順⑥ 金融機関に融資の打診を行う。
手順⑦ 売買契約を締結する。
手順⑧ 金融機関に本審査を申し込み、金銭消費貸借契約を結ぶ。
手順⑨ 決済、登記、引き渡しを実施する。
目次
手順① 不動産投資の目的と現状を明確にする

物件取得の最初のステップは、あなたの「投資目的」を明確にし、その上で現状の「自己資金や借入可能額」を理解することです。こうした明確化を先に行うことで、投資におけるリスクを減らし、期待値を最大化することが可能となります。
ある統計によれば、不動産投資の失敗例の大半は、「投資目的が不明確」または「現状の資金状況を適切に把握していない」ことが原因とされています。投資目的は、将来の年金代わりにしたい、相続税対策をしたい、資産を拡大したいなど人により異なります。また、現状の理解とは、自己資金や金融機関から借り入れ可能な額の把握を指します。
例えば、投資目的が「老後の年金代わり」であれば、安定したキャッシュフローが期待できる、一棟マンションを選択すると良いでしょう。一方で、投資目的が「資産の拡大」であれば、値上がりが期待できる地域の区分マンションを購入し、賃貸や売却を視野に入れるといった戦略を考えることになります。そして、現状の理解も投資戦略を立てる上で重要です。例えば、ある投資家は年収が高く、自己資金も多いため、最初から高額な物件を購入できるかもしれません。一方、金融機関の評価が低い方の場合、融資限度額が低いため、小規模な物件から始めることになるでしょう。
不動産投資は、目的に応じた適切な投資手法の選択と、あなた自身の経済状況に基づいた資金計画が必要となります。不動産投資をはじめるにあたり投資目的を明確にし、そして自己資金と借入可能額を把握することが、成功への道のりをスムーズにし、失敗を回避するための第一歩となります。
このプロセスを経ることで、投資に必要な具体的な金額を逆算することが可能になりますし、どの種類の物件を選べばよいかの方向性が見えてきます。おのずと選ぶべき不動産が絞り込まれ、資金計画が立てやすくなります。
不動産投資を成功させるためには、物件選びに入る前に「投資の目的と現状」を明確にすることが最重要なステップであると言えるでしょう。これは投資の成功を大きく左右する、決定的な要素となります。
手順② 情報収集を行う

不動産投資は大きなリターンをもたらす可能性がありますが、同時にリスクも伴います。それらのリスクを軽減するためには、投資前の情報収集が不可欠です。手順②として、不動産投資の情報収集の方法と物件の探し方を解説します。
不動産投資を始めるためには、十分な情報収集が重要であり、そのためには専門書籍の読解やセミナーの受講などが有効です。また、物件探しにおいても、自分の投資目的に適した物件を探すための情報収集が必要です。
これらの情報収集と選定を通じて、投資のリスクを軽減し、利益を最大化するための道筋を描くことができます。不動産投資はリスクを伴うものですが、適切な情報収集と選定により、そのリスクを管理し、成功へと導くことができます。
| 書籍とセミナー
不動産投資について学ぶための有効な手段として、専門書籍やセミナーがあります。最低でも2~3冊の書籍を読み、3つのセミナーを受けることを推奨します。なぜならば、複数の情報をインプットすることにより情報の信頼性を判断するのに役立つからです。
| 物件の探し方
物件情報は、インターネットのポータルサイトで確認することができます。また、不動産会社に希望する物件の条件を伝えておけば、条件に合う物件が出たときに紹介してもらうことも出来ます。
| 物件の選定
物件を選ぶ際は、新築・中古、一棟マンション・アパート、区分マンション、戸建てなど、さまざまな種類の物件が存在します。どのエリアにするか、間取りはどのサイズにするかなど、最初は迷うことも多いでしょう。しかし、インターネットなどで多くの物件情報に触れることで、自分がどのような物件に投資したいのか、すべきなのか、少しずつ絞り込むことが可能になります。
手順③ 問い合わせや資料請求をして、物件の評価を行う

特定の物件があなたの投資目標に合っているかを見極めるためには、適切な情報を収集することが重要です。具体的には、不動産会社に連絡して、物件概要書(マイソク)とレントロールの提供を依頼します。これらの資料は、物件価格、間取り、面積、築年数、利回りなどの基本情報が記載されており、レントロールには、現在の契約している家賃が部屋ごとに記載されています。
大事なチェックポイントは、ただ単に物件の収益性を見るだけではなく、物件所在地の周辺環境、そして入居者の視点を重視することが大切です。具体的には以下の項目を確認・調査をして下さい。
・物件のあるエリアの賃貸需要
・家賃相場
・地域特性や人口動向
・適正家賃や敷金・礼金
・近隣物件との比較により適正な家賃を設定します
・競合物件の募集条件
・自殺や事件などネガティブ情報の有無
・物件の評価を下げる可能性のある情報の有無
・広告料の相場
不動産会社に連絡する方法は直接電話するか、メールを送るか、または不動産ポータルサイトを経由するなどがあります。この情報収集プロセスは、あなたが投資すべき適切な物件を選定するための基本となります。
手順④ 現地を訪れて物件を調査する

物件概要書を確認し、あなた自身が設けた基準をクリアしている物件なら、次は物件の現地調査と内見がに進みます。資料やウェブサイトの机上の情報だけでは不十分なことが多くあるため、あなたの目で実際に現地調査と内見が必要となります。
例えば、ある物件の情報をウェブサイトで見て、駅から徒歩5分とあります。しかし、現地調査を行うと、その5分間が急坂であり、特に年配の方にとっては歩きにくいことがわかったとします。この情報はウェブサイトだけでは得ることができない情報ですが、賃貸需要や募集家賃の設定に大きな影響を与えます。
不動産投資成功の鍵は、物件選びにある。そのためには情報収集だけでなく、現地調査と内見が必須となります。そして、その上で物件そのものの評価だけでなく、入居者の視点を考慮し、周辺環境や物件の特性を理解し、適正な家賃設定や運営計画を立てることが求められます。これら全てのプロセスを踏まえることで、より適切な物件選びが可能となり、失敗リスクを最小限に抑えることができます。
また、不動産投資は長期的な視点が必要とされるため、一時的な流行や景気動向に流されず、基本的な指標に基づいて判断することが大切です。物件の選択から運営まで、一貫した戦略と方針を持つことで、より安定した投資結果を期待することができます。
手順⑤ 買付証明書を提出する

次のステップは買付証明書です。買付証明書は不動産仲介業者を介し、売主に対し購入意思を明示する行為です。しかし、買付証明書を提出したとしても、必ずしもその物件を購入または確保できるわけではなく、売主の判断に委ねられる部分があることを理解しておくことが必要です。
物件購入の意思を示す買付証明書は、売主に対する意志表示であり、その書面には希望価格や支払方法など、契約条件に関する情報を記載します。しかし、これはあくまで購入意思を示すもので、契約自体を成立させるものではないため、売主は複数の買付証明書を比較検討し、最終的な売却先を選択することができます。
例えば、ある物件に対して、複数の投資家から買付証明書が提出された場合、売主は各投資家からの買付証明書を比較します。投資家のAさんは、売りに出た途端すぐに買付証明書を提出しましたが、購入希望価格は市場価格よりやや低めで、ローンを組む予定です。一方、投資家のBさんはAより2週間後に買付証明書を提出しましたが、購入希望価格は市場価格通りで、全額現金での購入を希望しています。この場合、売主は、売却金額を重視する場合はBさんを選ぶかもしれませんし、売却スピードを重視する場合はAさんを選ぶかもしれません。
買付証明書の提出は不動産投資購入手順の重要なステップですが、必ずしもその物件が手に入るわけではないため、買主はこのプロセスをよく理解し、適切で冷静な対応を行うことが求められます。また、買付証明書を提出する際には、自身の財務状況や購入条件などを明確にし、適切な価格設定を行うことも重要です。不動産投資の成功には、物件選びだけでなく、買付証明書の提出やそれに続く契約プロセスなど、全体の流れを把握し、各ステップで適切な対応を行うことが重要となります。
手順⑥ 金融機関に融資の打診を行う

不動産投資を行う際の物件購入資金は、自己資金だけでなく金融機関からの融資を活用することが一般的です。融資を利用することで自己資金にレバレッジを掛け、より大規模な投資を可能にします。ただし、そのためには金融機関への融資の申し込みや審査を経る必要があり、その手続きや条件には注意が必要となります。
不動産投資ローンの融資条件は、金融機関毎に借り手の信用状況、年収等の属性、所有資産、物件の種類など様々な要素により決定します。具体的な条件としては、金利が1.5%~2.0%前半、融資期間が35年程度という相場があります(2022年11月時点)。しかし、これらはあくまで一般的な範囲であり、借り手の信用状況や物件の評価により、貸出金利、融資期間が決定します。
例えば、上場企業の会社員、長期間の勤務歴、高年収がある方、また頭金を2割から3割支払うことが可能な方などは、返済能力が高いと評価され、より好条件での融資が可能となる場合があります。逆に、他のローンの返済が多い方や、クレジットカードの未払い履歴がある方、自営業などで毎月の収入が不安定な方は、より厳しい条件での融資となったり、融資申込み自体が却下になる可能性があります。また、1つの金融機関で融資が通らなかったとしても、他の金融機関に申し込むことで融資が可能となる場合もありますので、根気強く金融機関の開拓を行う必要があります。
不動産投資ローンの融資申し込みと審査は、不動産投資を成功させるために重要なステップです。金融機関との交渉や融資条件の確認は慎重に行い、自身の信用状況や物件選定と連携しながら最適な融資を得られるようにすることが大切です。また、融資が通らない場合でも落胆せず、他の金融機関にも申し込むことを視野に入れましょう。それぞれの金融機関は異なる評価基準を持つため、条件の良い融資を得るためには複数の機関に申し込むことが有効です。このプロセスは手間と時間を必要としますが、長期的な投資成功のためには不可欠なステップです。
手順⑦ 売買契約を締結する

金融機関への融資審査が通ったら、次のステップは売買契約です。
契約書にサインする前に重要なのが「重要事項説明」です。これは宅地建物取引士が、物件や取引条件について詳しく説明するもので、これまでの交渉内容と確認する重要な時間です。何か気になる点や不明点があれば、契約を結ぶ前にしっかりと確認しましょう。
次に売り主と買い主で正式な売買契約を結びます。契約手続きの際には、原則として売主と買主が顔を合わせ手続きを行い、契約書に署名・捺印し、手付金を支払います。手付金は売買価格の5~10%程度が目安とされていますが、法的なルールはないため、必ずしもこれに縛られるわけではなく売り主と買い主の合意によって決定されます。
重要なのは「融資特約」です。これは金融機関からの融資が受けられなかった場合に、契約を白紙に戻せる条件です。これがないと、ローンが通らなかった場合でも支払った手付金は戻って来なくなるので、必ず確認しましょう。
また、売買契約には「手付解除」や「契約不適合責任」といった条項も含まれます。手付解除は何らかの事情で契約を解除する際に必要で、手付金を失うリスクがあるため注意が必要です。契約不適合責任は物件に何か問題が起こった時に、修繕などの補償をする責任のことです。
初心者であっても、売買契約前に契約書や重要事項説明書をしっかりと読み込むこと、不明な点がある場合や不安を感じる場合は、専門家に相談することを強くおすすめします。自身が納得できるように、物件の説明や契約内容をしっかり確認し、理解した上で購入を進めることが重要です。
手順⑧ 金融機関に本審査を申し込み、金銭消費貸借契約を結ぶ

本審査は、金融機関があなたの信用情報を詳しく確認し、融資を行うか否かを決定する過程です。この審査結果は約2週間から1ヶ月程度で返ってきます。
本審査で融資が承認されたら、金銭消費貸借契約(ローン契約)を結びます。基本的には金利や融資期間などの条件は変わらないため、契約前に納得いくまで質問をしましょう。
また、この段階で団体信用生命保険の契約や抵当権設定契約も結ぶことが一般的です。団体信用生命保険は、万一の事故や病気などで返済が困難になった場合に、保険金が支払われる制度で、ローンの安心感を高めます。抵当権設定契約は、金融機関があなたの不動産に対する権利を確保するためのもので、ローン契約と一緒に行うことが多いです。
これらの手続きが一見難しそうに見えますが、しっかり理解し、各ステップを踏むことで不動産投資への道は開かれます。一歩一歩、確実に進みましょう。
手順⑨ 決済、登記、引き渡しの実施

最終ステップである「決済、登記、そして物件の引き渡し」を実行されることにより、買主としての義務と権利が正式に移転されます。この段階では、融資の実行、資金の決済、そして物件の引き渡しが行われます。
まず、決済は一般的に金融機関の店舗で行われます。この際には、手付金を除いた残代金、固定資産税清算金、登記費用、そして仲介手数料などが支払われます。これらの費用は必須であり、計画的に準備しておく必要があります。
続いて、物件の引き渡しです。この際には、契約記載の設備の状況などを確認します。これは、契約と異なる状況があった場合、買主が適切に対応するためです。引き渡し時には、物件の鍵や重要な書類が買主に手渡されます。
最後に、登記手続きが行われます。これは司法書士に依頼することが一般的で、資産の所有権移転を法的に確定する重要な手続きです。
以上から、不動産投資の決済、登記、引き渡しのプロセスは、一連の取引を完結させ、買主としての権利と義務を正式に受け継ぐ重要なステップであると理解できると思います。